「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」(15年 米)
原題はDemolition(破壊)だが、邦題のほうがずっといい。ジェイク・ギレンホールが妻を亡くした会社員、義父を - クリス・クーパー、シングルマザーナオミ・ワッツの息子役のジュダ・ルイスなどなど芸達者がそろっていて、通勤電車で隣り合うガードマンのおじさんたちまで実にハマっていた。有名、無名ともこんなにいい役者が揃っている映画は珍しいんじゃないか。
ギレンホールが、車の中で妻とつまらないことで言い争うシーンから始まり、子供たちとふ頭を走るラストシーンまで、「ムクロになってしまった」気持ちが伝わってくるのだ。ココロがムクロになってしまったのは、愛する妻が死んだからではなく、妻を本当は愛してなかった、妻が死んでも悲しくなかった自分に気づいたから。
反抗児ジュダ・ルイスとの交流がいい。いま、椎名誠の「岳物語」(89年 集英社文庫)で、椎名と息子の岳とのカケアイを面白く読んでいるのだが、なんだか暖かくて似ている。
この映画、賞とは無縁のようだが、原作も、配役も、シナリオも、音楽もワタシにはとてもよかった。結局映画って、好きか嫌いか、だからね。雨の日の夕方に、また最初からゆっくり見ることにしよう。
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