
「夜のピクニック」の、まだ恋とは言えない好きという気持ちが少しづつ溜まったり、抜けたりの高校生たちの物語は、自分にもこういう時代があったのだと、その頃のことを懐かしみながら読んだ。
同名の映画(06年 邦画)も見た。多部未華子が新鮮で良かったが、配役が役者っぽいのが多かったせいで顔見世のシーンが小賢しく、なんだか不自然なものだった。原作は、軸となる何人か中心に、時間の流れの中で小さなストーリーとともにスポットが当たって行くような、そんな思いでを探るような作品なのだから、多部以外を無名の役者、うーんと役者ズレしていない人たちで固めてほしかったかな。
「月の裏側」(00年 恩田陸 幻冬舎文庫)

九州の水郷、箭納倉(やなくら 柳川がモデルらしい)で起きた連続失踪事件を追いかけるルポライターと元大学教授ほかが得体の知れないモノを追いかけるというスジなのだが、前半はダラダラと不思議なことを小出しされるだけでタイクツする。昔に住んでいた家とか入り組んだ掘割とか懐かしい風景の中に、オトナの愛物語を入れ込んだために、そこに気を取られて肝心の「得体の知れないモノ」の怖さに入り込めない。ここは、キングの「スタンドバイミー」(86年 米)のように主人公を少年たちダケにしてくれたらよかったかな。
「蜂蜜と遠雷」(16年 恩田陸 幻冬舎)

頼りのカミさんに聞いてみたら、”アナタ確かにワタシにこの本の話をしてたよ”と。うーん、ついにボケたか、どうしても思い出せない。図書館で検索したら、待ってる人もそう多くはなさそうだから予約するとしよう。
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