2019年1月22日火曜日

ロバの耳通信「ノーカントリー」

「ノーカントリー」(07年 米)

ポスターだけを憶えていて、見たつもりになっていたが初見だった。全編バイオレンスというのだろうか、殺戮シーン満載。R指定ながらアカデミー賞獲得は当時の社会問題を強く反映していたせいだろう。主人公の保安官がトミー・リー・ジョーンズ(缶コーヒー「ボス」のCMの例のオジサン)なのだが、話の主体となるのはギャングのお金をネコババしたベトナム帰りの男とそれを追う殺し屋。ノッキングガン<屠殺(とさつ)用のショットガンのようなもの>を持ち歩く殺し屋役がベネロペ・クルスのダンナのスペインの怪優ハビエル・バルデム。この殺し屋が実にハマっていて気味悪かった。不安と緊張を強いられる展開で息を詰めながら見ながらも、引退を考えている保安官とのバトルも予想されどんなカタストロフで終わるのかと半ば期待もしていたのだが、殺し屋が交通事故で重傷を負うところで終わってしまった。血生臭いシーンがなくなって、ちょっとホッとした。ボスキャラから逃げて、ゲームを終えた心境か。まだボスキャラが死んでないので本当に終わってはいないのだが、まあ、もういいやという気持ち。

また、気に入った女優のハナシだが、ベトナム帰りの男の幼な妻(年齢、ではなく世慣れしていないネンネの)妻役の英女優ケリー・マクドナルドを久しぶりに見た。テキサスの田舎の舞台に不似合いの色白さが堪らない。ヘロイン中毒の若者たちを描いた「トレインスポッティング」(96年 英 アーヴィン・ウェルシュ同名の小説の映画化、ユアン・マグレガーの出世作)でのケリーの瑞々しい演技も忘れ難いが、「ノーカントリー」のケリーはよかった。

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