2019年2月7日木曜日

ロバの耳通信「コール・ドスキン」「リボルバー」

「コールド・スキン」(18年 スペイン・仏)


孤島の気象観測員として派遣された男が灯台守とともに半魚人と闘うーといった、とんでもないストーリーなのだが、意外に面白かった。若い気象観測員が前任者の小屋に移り住み孤独な暮らしを始めるところや、年老いた灯台守と暗くなると大勢で襲ってくる半魚人たちと死闘を繰り広げるところなど、ゾンビ相手のサバイバルゲームを連想させる。火山島である孤島の舞台や、押し寄せる半魚人のCGやらチンケな低予算インディ映画とはくらべものにならないくらい丁寧な作りにすっかりハマってしまった。灯台守の性奴隷にされていた半魚人の女の表情は、どこか「アバター」「シェイプ・オブ・ウォータ」のクリーチャーに似て、なんとも哀しかった。
この映画の主題は孤独を愛していた筈の灯台守も最後には半魚人の女にも愛想をつかされて出てゆかれ、”ひとりにしないでくれ”と叫ぶところか。つまりは、誰もひとりでは生きてゆけないと。冷たい肌の半魚人でも、犬猫でもひとりでいるよりはずっといいのだと。

「リボルバー」(05年 英・仏)

監督ガイ・リッチー、製作リュック・ベッソン、主演ジェイソン・ステイサムと三拍子揃えばゼッタイ面白い筈と臨んだ映画だったが、まー、面白くなかった。ワルモノ役のジェイソン・ステイサムがたくさんのワルモノたちと闘うというだけ。脚本もあるし、錚々たる脇役たちもいるのだから、それなりのストーリー展開もあるのだが、この映画の主題は「妄想」。虚構という映画の中ではあるが、物語はチェスの差し手と格言で味付けされながら進むがこれがやたら抽象的。だから、どれが本当に起きていることなのか、どこからが主人公の想像(妄想)なのかがゼンゼン掴めず、終わったときの疲労感が半端なかった。もちろん、また見る気にもなれない。
「リボルバー」はもともと回転式拳銃のことだが、この映画では金融用語のリボルビングによる資金の回転が重要な役割を持っている。これを説明すると映画のスジを全部説明しなければならないくらいタイヘンなので省略。

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