2019年3月21日木曜日

ロバの耳通信「かげろう絵図」「弱気の虫」

「かげろう絵図」(04年 松本清張 文春文庫)

松本清張を久しぶりに読んだ。

若い頃から本だけでなく映画やテレビドラマで、近年はYouTubeの朗読サイトまで何度も松本の作品に触れているから、正直どれが未読かわからなくなっているが、最初に読んだのが「弱気の虫」(71年 松本清張全集(9)「黒の様式」の短編、77年 文春文庫)。賭け麻雀から抜け出せなくて破滅してしまう男の物語なのだが、ちょうどそのころ会社の同僚と囲む麻雀に嵌まっていた。負けることが多かったので給料日に支払った掛金の悔しさを今も忘れていない。貧乏サラリーマンのことだし、実際はたいしたことはなかったのだろうが、この金額で妻子にケーキが何回買えたかと。

「かげろう絵図」は徳川家斉の世継ぎを画策する大奥閨閥たちの物語で、大奥のスキャンダルあり、旗本の次男坊の活躍ありのエンターテインメント作品で上下巻約1100ページの長編は 飽きることなく一気に楽しめた。ハッピーエンドの物語だったから終わったあとの爽快感も。市川雷蔵、山本富士子、黒川弥太郎など往年の名優で映画化(59年 大映)されているらしいので動画サイトを検索したが見つからない。

何度かテレビドラマ化もされているとのことだが、「松本清張のかげろう絵図」(83年 フジテレビ時代劇スペシャル)だけは見た記憶がある。お美代の方を演じた中島ゆたかという女優の大ファンで、中島ゆたかを見たいためだけだったから、ほかの役者はほとんど覚えていない。このあとに古本屋で買ったグラビア本「中島ゆたか スペイン幻想」(83年 一世館)を持っていたほど。そういえばこのグラビア本どうしたのだろう。うん、中島ゆたかねー、忘れてた。

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