「CHILDHOOD'S END -幼年期の終り-」(15年 米テレビドラマ)
ある日突然、宇宙船が現れ人類の争いや犯罪や病気を治し始める。オーバーロードと呼ぶ宇宙人の代表であるカレルレンは、農民のリッキーを人類の代表者に指名し人類の進化を助ける。80分3回のシリーズなのだが、人々に争いや犯罪や病気がなくなって15年目にあたる初回の終わり頃にカレルレンが初めて人々の前に「悪魔ー真っ赤な顔、大きな角、こうもりのような羽根と長いしっぽで」姿を現す。人々はカレルレンを畏れつつも、平和な暮らしを享受する。と、まあこういう物語なのだが、テレビドラマの作りが実にウマい。動画サイトでは40分6回に分けられていても通しで見ることができたからストレスにならなかったけれど、うーん次はどうなるんだとドキドキハラハラしながら見た。
原作はSF作家アーサー・C・クラークの同名の小説らしいが、リッキーが新婚旅行で最初の妻と泊まった、フォーシーズンホテルの部屋<カレルレンによる幻想を見させられた>で亡き妻の思い出に浸りながらも、現在の妻に愛を誓うとか、信仰を失ってゆく人たちとか、カタストロフィーに向かって突き進むいくつかのサブストーリーが実によくできていて、原作も読んでみたいとの強い衝動になった。
カレルレンが繰り返し説く「神は試練を与えるだけで、実際は何の助けにもならない」という無神論の考えに頷きそうになってしまう。
これでもかこれでもかと暴力、犯罪が繰り返される「アメリカン・クライム」(15年~)、ゾンビとの闘いではなく人間同士の争いになってしまった「ウォーキング・デッド」(10年~現在シリーズ9)など、延々と暗い話で視聴率を稼いでいる米テレビドラマにヒトは何を求めているのだろうか。
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