2019年6月23日日曜日

ロバの耳通信「ザ・プロディジー」「THE QUAKE ザ・クエイク」

「ザ・プロディジー」(19年 米)


原題のThe Prodigyは神童のこと。不可解なものの意味もあるらしい。

とにかく、怖い。ポスターの気味悪さもスゴイが。生まれつきの天才と呼ばれた少年は連続猟奇殺人犯の生まれ変わりだったというスジは単純だし、制作スタッフも配役もほぼ無名のメンバーだが、撮影も音楽も演技も最高。スプラッタもほとんどないのに、邪悪というか気味悪さは一流。

パソコンの小さな画面の低画質の動画に、何度も怖さに声を出しそうになったから、大画面と大音響の映画館では見続けられないことを確信。
映画でこんなに怖い目にあったのは「リング」(98年 邦画)以来か。「リング」のリメイク版の新作「貞子」の予告編をチェックしたが、オリジナルには到底追いついていないみたい。

「THE QUAKE ザ・クエイク」(18年 ノルウェー)

大ヒットしたディザスター作品「THE WAVE ザ・ウェイブ」(16年)に味をしめた続編らしく、主演俳優もほぼ同じ。フィヨルドを襲う大津波、暴れ狂う自然災害に翻弄される北国の人々を描いた。壮大なガイランゲルフィヨルドや森の美しさはネット動画で今も見れるが、大画面の映画館で観たかった作品。

「THE QUAKE ザ・クエイク」は、大地震で崩壊した都市を描いた。前半の地震学者が来るぞ、来るぞ大地震がというところが、意外に切迫感がなく中ダレ。後半のビル崩壊からのCGの出来が最高。こういうディザスターものによくある、大勢の人間が下敷きになったりツナミに流されるなんてことはなく、主人公の地質学者(クリストファー・ヨーネル)やその娘(エディット・ハーゲンルッド=サンデ)などほんの数人にスポットを当て崩壊したビルからの脱出劇が、よくできていて同じ脱出劇の昔の映画「ポセイドン・アドベンチャー」(72年 米)を思い出した。

欧米のメジャー作品にもによく出ているノルウェー俳優クリストファー・ヨーネルはこの映画では表情が乏しくつまらない印象だったが、娘役をやったエディット・ハーゲンルッド=サンデの存在感がすごかった。このところずっと感じていることだが、欧米の子役にいい役者が多いような気がする。大人になるとほとんど消えてしまう不思議も。

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