2025年1月9日木曜日

ロバの耳通信「ジャッジ 裁かれる判事」「皆殺しの流儀」

「ジャッジ 裁かれる判事」(16年 米)

辣腕弁護士ロバート・ダウニー・Jrが母の死の知らせを受け、インディアナ州の田舎に帰る。待っていたのが、折り合いの悪い父親で地区裁判所判事のロバート・デュヴァル。その田舎でひき逃げの罪に問われた父親の無実を信じ、弁護を引き受ける。

田舎、といっても日本の田舎とはかなり違うが、見渡す限りのジャガイモ畑(多分)や典型的な地方都市。ダイナーズの窓から見える風景も、農場を横切る道も昔のまま。ワタシも90年代そんなところにしばらくいたことがあるから、街並みも、ダイナーズもとても懐かしかった。アメリカの田舎は、海の近くでもなければ、みんな同じ風景。役場やダイナーズや、みんな同じ、ずっと同じ。
元カノジョとの再会や自分の幼い頃を知ってる町の人たちと相変わらず頑固な父親は実は末期ガン。野球選手を夢見ながら交通事故で夢を果たせなかった兄、知恵遅れの弟など、これでもかと不良少年だった弁護士の心になにかを訴える。ワタシもひき逃げ裁判の結末は、もはやどうでもよくなって、インディアナ州の田舎を思い出し、浸ってしまった。

「アイアンマン」シリーズ(08年~ 米)などですっかり有名になった主演のロバート・ダウニー・Jrは好きな俳優ではないが、頑固判事ぶりや初めての孫娘にあった時の優しい表情など当時84歳のロバート・デュバルがこの映画でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことに大いに納得。

「皆殺しの流儀」(14年 英)原題 We still kill the old way

Gyaoの無料動画のおかげで、マイナーな映画も見るようになった。悪いことし放題の町のチンピラたちに兄を殺された昔の顔役が、同年配のジジイを集めて復讐するという、ジジイ活劇。この手の映画は結構多いが、英国らしくシャレた言い回しなども楽しめるし、最後はジジイたちの勝利に終わり、これからもこの町のワルモノ退治を続けようぜという続編への期待を持たせてというお決まりで締められるから、まあ楽しめたのだが、途中が長い。チンピラたちの悪行を強調して、後半の復讐活劇に持ち込もうというのはわかるんだが、こうバイオレンスを延々とみせられると胸糞が悪くなる。
本編の「昔流儀で殺す」に引き続き、続編(17年)は We still steal the old way「昔流儀でかっぱらう」という銀行強盗の映画だとか。まあ、探してまで見たいとは思わない。

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