2019年9月18日水曜日

ロバの耳通信「花、香る歌」「ザ・ガンマン」

「花、香る歌」(16年 韓国)

韓国の「国民の初恋」ぺ・スジ主演で、スジのために作られた映画。こういう映画を見ると、普段陰湿なノワールモノばかりを選んでみている韓国映画と同じところで作られたとは思えないくらい。女は参加できないといわれてきた韓国の伝統芸能パンソリ、まあ日本の田舎歌舞伎みたいなものか、の歌い手を目指した少女の物語。

映像は美しく、抒情的なストーリーで、スジをより可愛く表現している。女性ボーカルグループMiss Aのメンバーだから歌もうまい。腹の底から声を出すパンソリの歌い手だから、半端なくうまい。スジの師匠役のリュ・スンリョンが権力と出自の貧乏の挟間で苦しみ哀愁ある歌を歌う中年男を演じていて、忘れられない映画になった。 うん、スジは可愛い。実に可愛い。

「ザ・ガンマン」(15年 米ほか)

西部劇のような題名の映画でショーン・ペンの主演、あまり売れなかった映画ーという記憶だけがあったが、ショーンの大ファンだし、ということで。元特殊部隊狙撃手の復讐劇で、コンゴ内乱と鉱物資源を狙う国際組織などオモシロ要素を散りばめ、4か国の共同制作、配給はフランスの有料テレビ配給会社Canal+、配役も各国から往年の俳優をかき集めた。西部劇なみのドンパチでショーン大活躍のアクション映画と割り切り、面白く見た。なぜ、ザ・ガンマン(原題: The Gunman)なんておかしな題にしたのか不明。原作の「眠りなき狙撃者」(14年 ジャン=パトリック マンシェット 河出文庫) のほうがずっと良かったような気がする。

ラスト近く主人公がスペインの水族館の迷路のような水処理場で追いまわされるところが、あの名作「マラソンマン」(76年 米)で主演のダスティン・ホフマンがセントラル・パークの排水処理場で追いつめられるシーンとソックリ。米映画批評サイトRotten Tomatoesではボロクソ(4.4/10)の評価だったが、ワタシは面白かったよ。

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