「イン・ザ・トール・グラス-狂気の迷路-」(19年 米カナダ)原題 In the Tall Grass
夫婦に見える妊婦とその連れの男が車を止めたコーン畑の向こうから子供の助けてという声がする。ここから始まるスティーブン・キングの世界、キングの息子のジョー・ヒルとの合作小説が原作だというが、迷路、暗闇、犬、行ったり来たりの時間、インデアンの聖なる石。たっぷりのスプラッタもキング味。狂気の男を演じるパトリック・ウィルソンがマジ、怖い。
胸がざわつくって、こういうことなのか。大きな不幸がいまにも起きるのではないかと、不安の虜のまま。映画が始まって、終わるまで。終わっても不安のまま。映画を見て、こんなことになるなんていままでなかった。映画のあいだの絶え間ないざわざわ感は、おぞましいシーンの連続と独特の効果音のせいでもある。
誰も言ってないし何も書いてないが、ヒトが皆、最後には必ず経験するアレのことを暗示しているのではないか。暗い。食べ物も飲み物もなく、足元はぬかるみ。走れば、草が肌を傷つけ、気味の悪い虫たちが顔をはい回り、耳に忍び込む。自分がどこにいるのかわからない。呼び声はするが、どっちに行けばいいかわからない。
怖すぎてすぐには2度見る気にはなれないが、たぶんまた見ることになる予感。
「アベンジメント」(19年 英)原題 Avengement
スコット・アドキンスが暴れまわるB級映画。ブログで”こういうのもアリだよね”と、よさげな書き込みがあったのに。うーん、ギャングのボスの兄貴の片棒を担いで、捕まった刑務所で暴れる、逃げ出す途中で警官相手に暴れる、酒場で暴れるで、ずーっと暴れる。刑務所で何度も殺されそうになったのはチクられたと入れ知恵された兄貴に賞金をかけられたと知るや、最後は皆殺し。
スコットが刑務所でヤラれる凄まじい暴力シーンは、気分が悪くなるほど。どの国でもギャングはイヤな感じがするものなのだが、なんだか英国のギャングが余計にそう思えるのは口汚いスラングのせいか。見ない方がいいよ、Netflixで公開中のこの映画。
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