「12万円で世界を歩く」(97年 下川裕治 朝日文庫)
変な性癖だと自分でも思う。面白い本を手に入れると読まずにカバーだけして本棚の端に積んでいる。これは、面白いに決まってるから後の楽しみにとっておいた本たち。想定は、入院したりしてじっくり本を読む機会ができたらこれらを読もうという企み。約20年前に入院した際、もともと活字中毒だったのに読む本がなくなり、家族に家にあった文庫本やら雑誌を持ってきてもらった思い出から、「いざという時」のために本を貯めこむようになった。時代は変わって、スマホやタブレットでいつでも本は手に入るし、病気とかで入院するとしてもいまどき本を読める状態まで入院できることもないと思うのだが、貧乏性のならいで本を貯めている。
この「12万円で世界を歩く」も、ブックオフで見つけ裏表紙の解説やパラパラめくって挿絵の写真から「お取り置き」に決めていた。花粉症がひどくて、図書館にゆくのも難渋し、ネット動画にも飽きたある日、「お取り置き」の下から2段目にあった本。ちなみにいちばん下にあったのは「虐殺器官」(10年 伊藤計劃 ハヤカワ文庫)でこの本、なかなか難しくて何年か前にもチャレンジしたのだが、ついて行けず挫折。今回も挫折。で「12万円で世界を歩く」を読んだ。
カンタンに言うと、いかにケチケチ旅行をしたかを書いた本。大変だったろうねと同情しつつも、節約が目的になってしまった旅行記は面白くもなんともなかった。ひとりで食べようととっておいたお菓子が期限切れ、の感。20年前だったら違う感想だったかもしれない。
同じケチ旅行なのだが、いつ読んでも、何度読んでも新しい感動を覚える「深夜特急」(86年~ 沢木耕太郎 新潮社)との違いは何なんだろうか。
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