2019年12月12日木曜日

ロバの耳通信「アド・アストラ」

「アド・アストラ」(19年 米)原題:Ad Astra

題の意味はラテン語で「星に向かって」で、「困難を乗りこえて」という慣用句に使われるらしい。
宇宙飛行士(ブラッド・ピット)が、約30年前に知的生命探査機で冥王星に行って行方不明になった父親(トミー・リー・ジョーンズ)を探しに行くという物語。
父親にめぐり合えたかとか、父親が知的生命体に会えたかとか、宇宙旅行などについてのなんだか説明のつかないいい加減さとかも少し気になるが、ここで語られるのは幼い時に父親不在になった少年の心の傷。そのためか、大人になっても他人を受け入れることができず、妻(リブ・タイラー)との関係もおかしくなっている。
幼いときに父親を失ったブラピが、モノローグ(映画の中では、精神状態をコンピュータ診断を受けるために、気持ちをマイクに)で語るところには涙がでそうになった。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(19年 英米)での、ほかの誰でもよかった役柄に比べ、ずっと、ずっと良かった。父親の古い友人として、途中までブラピと宇宙旅行に同行する役のドナルド・サザーランドとか、何人か有名な俳優を配しているのだが、ほぼブラピだけの映画といっても良いくらい。

ブラピの妻役のリブ・タイラーは、途中のテレビ電話の映像と、ラストだけしかでてこないチョイ役だが、この女優の大ファンであるワタシには、初恋のヒトに会えたようだった。「アルマゲドン」(98年 米)でブルース・ウイルスの娘役をやったときの、あの輝くような美しさを忘れることができない。<あちこちで、同じことを書いたような気がするが>

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