2019年12月1日日曜日

ロバの耳通信「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(19年 米英)原題 Once Upon a Time in Hollywood

シャロン・テート事件(69年 ハリウッド女優がカルト集団マンソン・ファミリーに殺害された)の時代、売れなくなってきた西部劇俳優役のレオナルド・ディカプリオ、そのスタントマン役ブラッド・ピットを中心に、古き良きハリウッド黄金時代を描いている。監督クエンティン・タランティーノ、名優ふたりの初共演がウリ。シャロン・テート役の豪女優マーゴット・ロビーの色っぽいことにはまいった。

アメリカで7月26日公開、3日間で興行収入4千万ドルの興行収入を上げる大ヒット、日本では8月30日の公開、2カ月で11億円の興行収入の大ヒットだと。ネットでの評判も結構良くて、期待していたのだが。面白いと感じなかったワタシの僻みだろうが、ハリウッドのあるアメリカならとにかく、日本で大好評だったのが不思議。確かに日本の映画評論家など、映画に一言あるひとたちがこぞってタランティーノ監督を押し、面白いというウワサにミーハーの日本人が乗っただけな気もする。だから、ロングランはないだろーな。

そういうワタシも、クエンティン・タランティーノ監督作品を多く見てきたし、かなりのファンだと思っていた。
「レザボア・ドッグス」(92年)、「パルプ・フィクション」(94年)、「キル・ビル 1&2」(03、04年)と見続けてきて、「イングロリアス・バスターズ」(09年)で躓いた。ブラピ演じるアメリカ軍将校がナチスの兵士を撲殺、火あぶりにするという胸糞が悪くなるグロ。それでも、それまでに見てきた映画が面白かったから、それでもまだタランティーノファンだと自負していたのに。

「ジャンゴ 繋がれざる者」(12年)、「ヘイトフルエイト」(15年)で感じていた、マイナー映画監督タランティーノのハリウッドへの憧れと阿(おもね)りが鼻につくようになっていて、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でタランティーノは、念願通り、鼻高い大監督になったようだ。ラストの火あぶり、噛ませ犬などによる皆殺しは、タランティーノらしいといえばそうだが、そこまでの2時間弱の退屈な時間とラストへの脈絡なしの突入に、タランティーノはもういいやの感。

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