2020年3月20日金曜日

ロバの耳通信「スペンサー・コンフィデンシャル」「マローダーズ 襲撃者」

「スペンサー・コンフィデンシャル」(20年 米)原題:Spenser Confidential

ハードボイルド作家ロバート・B・パーカーのネタ本をパクったエース・アトキンスの小説が原作。ムショ帰りの元警官マーク・ウォールバーグが大家のジジイや同居人と一緒に、自分をハメた汚職刑事や賭博場を仕切るギャングたちと戦う。主人公がボクシングが得意ということで、「リーサルウェポン」並みの殴り合いも見せ場。大型トレーラーによる車のクラッシュなど、見せ場も多い。きわめて個人的感想だが、マークの恋人役の気の強い女役でNetflixで新進気鋭コメディアンのイリザ・シュレシンガーにまいったてしまった。怖い女はイヤだが、強く可愛い女はいいよね。

ロバート・B・パーカーは若い頃からハマった作家で、「スペンサー・シリーズ」(76年~)で、最初に出会ったのが「誘拐」(80年 立風書房)で面白さに虜になり、古本屋に行った際に一番最初に探す作家となった。特に印象深かったのが「約束の地」(MWA賞最優秀長編賞受賞 78年 早川文庫)、「銃撃の森」(81年 以下同)、「失投」(85年)、「晩秋」(92年)など。wikiで数えたら邦訳だけでも全部で70作くらいあった。うーん、半分も読んでいないのか。

「マローダーズ 襲撃者」(16年 米)原題: Marauders

映画に引き込まれるのはどんな時かと考える。まず、テンポか。つまりは、素早いストーリー展開に、おお、次はどうなるのかと思わせるワクワク感の連続。これを増幅させる楽曲が良ければ言うことなしだ。次にキャラクターの際立った仕草や表情、セリフ、これは、ほぼ配役で決まると思う。元となる原作の面白さも重要だが、それを生かすも殺すも脚本と監督。そういう映画を見たいといつも思っていて、出会った!

「マローダーズ」は、銀行強盗のシーンから始まるクライム・ノベルで、4人のメジャー俳優クリストファー・メローニ、ブルース・ウィリス、デイヴ・バウティスタ、エイドリアン・グレニアーを軸にして、それぞれがあたかも主役のように際立っている。銀行強盗が巨悪の暴露のためであったという複雑なプロットのために、中盤までアタマが混乱するし、死んだはずの男が生きていたとか、FBI捜査官がワルのボスだったとかシッチャカメッチャカのところはあったが、所詮「映画はエンターテインメント」と割り切ってしまえば、こんなに面白い映画は久しぶりだった。

クリストファー・メローニはアメリカ暮らしで長く楽しんだHBOのテレビシリーズの常連で顔なじみだし、ブルース・ウィリスが出ている映画ではハズレがないという、私的都市伝説を裏切らなかった。

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