「ザ・ジェントルメン」(19年 米・英)原題:The Gentlemen
監督がガイ・リッチー、主演がマシュー・マコノヒーというだけで見る前から期待が高まる。さらにこの豪華な配役、コリン・ファレルだってワキ役。なんだなんだと血が躍る。この手の映画はカミさんも心からは付き合ってくれないし、やっとコロナ緊急警報がとけたばかりの映画館は最初から選択肢には入っていない。気に入ったところを何度も見ることができるネット動画をひとりで見るに限る。うん、期待を裏切らなかった”英国映画”。米・英合作とあるが、アメリカ人はどんな気持ちでこういう鼻もちならない(メッチャ楽しい)、スノッブ映画を見るのだろうか。
英国で外で食べる朝定食はどこでもだいたい同じ。ソーセージ、豆の煮もの、目玉焼き、トーストなどが大きめの皿に盛り合わせで出てくる。ソーセージがベーコンになったり、トーストがパンケーキだったり、焼きトマトが添えられていたりのマイナーチェンジはあるが、つまりはこれが英国風。ロンドン郊外に住む知り合いは、朝はトーストにバターを塗ったものを深皿に置き、小鍋で温めたハインツのポーク&ビーンズをドバっとかけて、ナイフとフォークで食う朝飯を何十年も食っていると聞くが、そこいらじゃフツーの朝食らしい。
映画の中では大層に和牛ステーキと高級スコッチが出てくるが、もちろんゼンゼン似合っていない。つまりはそんな英国たっぷりの映画。モゴモゴと口の中で発音する英語、ウイットといえば聞こえはいいが、皮肉たっぷりのセリフ、そしてキレのいい暴力。いい女が出ることは稀で、この映画もそう。気取って美女風に登場するミシェル・ドッカリーが一番いい役。だいたい好みじゃないけれど、”英国映画”だと思えば、許せる。
スジはなんのことはない、マリファナで富を築いたギャングが引退しようとマリファナのサプライチェーンを金持ちに売ろうとしたところ、買い手の金持ちの裏切りにあうーそんなクライム映画。悪いのがたくさん出てくるが、みんな英国紳士風なのがなんだかオカシイ。ジェームスボンド「007」シリーズ(53年~)、「キングスマン」シリーズ(14年~)、「コードネームU.N.C.L.E.」(15年)などと同じ味付け。面白い映画だよ、コレ。
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