「トゥモロー・ワールド」(06年 英・米)原題: Children of Men
人類が生殖能力を失くした近未来の英国。最後の妊婦を守るために命を懸けた男の戦い。
キャッチコピーは”子供が産まれなくなった未来”
原作<「人類の子供たち」(99年 P・D・ジェイムズ ハヤカワ・ミステリ文庫)>に比べ、映画がずっといい。監督・脚本(アルフォンソ・キュアロン)、配役(クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケインほか)、撮影(監督と同じメキシコ出身のエマニュエル・ルベツキによる超長回し)、音楽(インド出身の作曲家ジョン・タヴナー)などこれ以上ない組み合わせ。挿入楽曲「広島の犠牲者に捧げる哀歌」(クシシュトフ・ペンデレツキ)ほか「交響曲第10番」(ショスタコーヴィチ)ほかの名曲が違和感なしに使われていて、エンドロールの暗い画面と子供たちの声がより印象を強くした。
暴力に満ちた暗い映画だが、わかっているのは最高の映画だということ。つまらない映画のために費やしてきた時間を思い、何度目かのこの映画を折角の雨の日に。
人間にとって最も必要な”希望”をこれくらい温かく描いた作品をほかに知らない。
「エージェント・マロリー」(12年 米)原題:Haywire
原題の意味はよくわからない。ワラを束ねる針金。俗語もあるらしいが、とにかく意味不明。
大好きなスパイ・アクション映画ということと監督(スティーブン・ソダーバーグ)と配役(ユアン・マクレガー、マイケル・ファスベンダーほかメジャー俳優ゾロゾロ)が気に入って見た作品だったが、主役の総合格闘家ジーナ・カラーノの見せ場ばかり。ムエタイ出身だというマッチョボディなのだが、顔も仕草もゼンゼン好みじゃない。
たくさんのメジャー俳優の見せ場を作るために書かれたと思われる脚本にゲンナリ。アクション映画もストーリーがいい加減だと楽しめない。原作なんてないんじゃないかな。うーん、予告を見てからにすべきだった。
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