「未来のミライ」(18年 細田守 角川文庫)
悩んだあげく、本を先に、次にアニメ。ほかの作品、たとえば「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」などもCMでタイトルやおおよそのあらすじは知っていたが、本もアニメも見たことがなかったから、この「未来のミライ」が 細田守に初めて触れた作品。
横浜を舞台にしているし、なんだか親しみも憶えるのだが、平凡なホームドラマのよう。主役が幼児だからイマイチ乗り切れない。特に、幼児語の連続でやや辟易。時代の行ったり来たりは面白かったが。
アニメは、さらに乗り切れず。本と全く同じスジ(アタリマエではない、アニメを生かす工夫は必須だと思う)。アニメはベタ塗りの絵本のようで動きがないし、なにより吹替がどうもね。ということで。
宮崎駿の偉大さを改めて、実感。比べてはいけないのだろうが。
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(07年 木谷有希子 講談社文庫)
裏表紙の紹介が”あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なのだ”に惹かれて。出だしの数ページがついてゆけない。手探りで少しづつーを何度か繰り返していたら、突然目の前が開け、あとは怒涛の一気読み。
映画のような小説だと感じていたら、舞台の脚本の小説化だと。演出家らしいストーリー展開。人物の書き込みというか、思い入れがすごい。とにかくこの小説、「全員が主人公」。誰も誰にも似ていない。キャスティングも良くて、映画化(07年 邦画)もされ、サトエリ(佐藤江梨子)が女優になり損ねた高慢ちきの女役。サトエリの義理姉の役の永作博美が、いくつかの映画賞を獲ったと。わかる気がする。永作、いい役をもらったな。
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