「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(18年 邦画)
コミック原作者の歌川たいじの実話の映画化らしい。児童虐待がテーマ。歌川タイジ役に仲野太賀(すごく良かった)、タイジの母に吉田羊(ノーコメント・・)。
子どもの頃ずっと虐待されていた青年が、母親に歩み寄るというまあ、ハッピーエンドなんだけれど。空々しいよね、やっぱり。児童虐待された青年が、母親もまた児童虐待されていたことを知り、自らが変わろうとするんだけれど。そんな、きれいごとってあるのかな。暗いばかりの映画にしたくなかったというのはわかるけど、子どもの頃の傷って治らないんだよ、ゼッタイ。タイジには優しいおばーちゃんとか素晴らしい友人たちがいて、良かったね。
「瞬 またたき」(10年 邦画)
花屋の店員北川景子がバイクに同乗して交通事故で恋人を失ったショックから記憶を失い、治療を続けるうちに事故の詳細を思い出し、死んだ恋人との思いを再び募らせるという、北川景子だけのために作った映画。そういう意味では成功なのか、北川は十分魅力的だったから。
ワキを恋人役で岡田将生、医者役で大塚寧々、恋人の母親役で永島暎子などなど若手からベテランまで一流の配役なのに、彼らがすべて堅苦しく不自然な演技で、全く生きていないのが残念。この配役でこの程度の映画か、もったいない。
映画の終盤近くで、出雲大社で偶然出会った婆さん(菅井きん)に、黄泉の国と現世の境界にあり死者と会えるといわれる坂道の話を聞き、死んだ恋人に会いにゆくというところがある。うーん、なんて安直なストーリー展開かと思ったが、この坂は東出雲に実在する伊賦夜坂(いふやさか)のことだと。ココだけは興味を持てたが、ストーリーはバラバラで納得できないところばかり。
何より気に入らなかったのが、泣かせるはずの最後の映像と音楽のぶち切り方。え?終わったのか。もうちょっとでジーンときたところだったのに。突然のフェイドアウトから主題歌付きのエンドロール。おいおい、いくら安直な映画でも、それはないだろうと不満。
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