「狂武蔵」(20年 邦画)くるいむさしーと読むらしい。
ネットで話題になり、映画サイトのランキングも高かった作品だが。だが、である。全編宮本武蔵役の坂口拓と吉岡門弟など400人との斬り合いシーン。歴史上の人物とはいえデフォルメされた武蔵だがさすがに後半になると手も上がらずヘロヘロ。これで斬り合いなんて噴飯モノだが、映画という虚構の世界だから何をやってもいいのだろう。クラウドファンディングで資金を募ったーということがオモテに出ていて話題を呼んだが、映画そのものは殺し合いのシーンの連続なのに退屈。なにかが起きるかと期待していたが楽しくも、興奮も、メッセージも感じられない映画。期待させるだけのクラウドファンディングという金集め、客集めが流行っていると聞く。余裕かました人々が有り余ったお金をドブに捨てるのは勝手だが、先の見えない将来を懼れながらも食費をケチって小銭を貯めるくらいしかない下層国民の気持ちなんか彼らにはわからないだろうな。
この映画からしばらく経って、前に見た映画に似てたなと調べたら、「RE:BORN」(17年 邦画)と同じ筋立てだった。「狂武蔵」ほどではないものの、ただ殺戮の繰り返し。主演(TAK坂口拓)も監督(下村勇二)も同じ。二匹目のドジョウ狙いだったのか、一匹目も暗いだけのどうしようもない映画だったのに。
「偽りの忠誠 ナチスが愛した女」(16年 英米合作)原題:The Exception
邦題も原題も意味不明、見終わって感じたのは原作(03年 アラン・ジャッド)の「The Kaiser's Last Kiss」のママの方が良かったかなと。
第二次世界大戦中のドイツ軍将校(ジェイ・コートニー)とユダヤ人の女スパイ(リリー・ジェームズ)との恋物語。クリストファー・プライマーが演じるオランダに亡命中の元ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世とその妻(ジャネット・マクティア)の物語がこの映画のもうひとつの主題になっている。
リリー・ジェームスは英テレビドラマで「戦争と平和」でナターシャを演じているが、同名映画(56年米 オードリー・ヘップバーン、67年旧ソ連 リュドミラ・サベーリエワ)のヒロインたちの匂い経つような神々しさにもヒケをとらない美しさ。この映画でもノッケから美しい裸体を披露してくれた。
こういうスパイ映画の楽しみは、推理小説と同じくどういうラストになるかを予想しながら見ることなのだが、おお、そうきたかと予想外のラストを楽しんだ。
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