「ラスト・ナイツ」(15年 米)原題: Last Knights
中世の騎士たちの物語を「忠臣蔵」のスジで。監督が「CASSHERN」(04年)、「GOEMON」(09年 共に邦画)の紀里谷和明でこの作品がハリウッドデビュー作だと。クライヴ・オーウェン(大石内蔵助)、モーガン・フリーマン(浅野内匠頭)ほか豪華配役なのに、世界的には無名に近い日韓の俳優たちを配したのは贔屓の引き倒しの感。(多分)英国の中世の騎士物語だぜ、違和感ったら半端ない。さらに日韓の俳優たちの見せ場まで作ろうとしたのか、顔見世興行さながらのムダなシーンばかり。前半(松の廊下)まではクライヴ・オーウェンやクリフ・カーティス(吉田忠左衛門)、アクセル・ヘニー(吉良上野介)の頑張りで面白かったが、原作「忠臣蔵」と同じく、討ち入りまでの間がダレる。討ち入りも暗い画面で敵味方が入り乱れるだけで、山場への期待もボツ。こんなの、海外じゃ当たらなかっただろうなとチェックしたら、やっぱりダメだったようだ。
題名はトム・クルーズ主演の大ヒット作「ラスト サムライ」(03年 米 The Last Samurai)を意識したのかな。うーん。
「アウトポスト」(20年 米)原題:The Outpost
米軍がタリバンと戦った戦争アクション映画。アフガニスタン北東部の四方の山に囲まれたすり鉢の底にあるキーティング前哨基地(原題はココから)での“カムデシュの戦い”が題材になっているのだが、誰が見ても戦術的に不利な場所にあるこの基地が戦略的にどういう意味だったのかは明かされていない。インディアンに囲まれた騎兵隊の映画のように、タリバンはバッタバッタと倒され、米軍も相当な死者が出、アメリカの戦争映画の常でラストのタイトルエンド前は戦死者の写真と階級、年齢に加え銀星勲章やら何やらが下賜されたと。
“カムデシュの戦い”での死傷者に懲りて、同様の圧倒的不利な場所にあったいくつかの前哨基地が見直されたとの、当時の軍の批判じみた反省で、ただのドンパチ映画に意味付けしたつもりなのかな。銃撃戦の模様はとてもソレらしくできていて、懐かしのオーランド・ブルームやらスコット・イーストウッド、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズほかの配役で楽しめたのだが、国威掲揚でも厭戦、反戦でもない戦争アクション。アメリカ映画会社はいつまでこんな映画を作り続けるのだろうか。
Last Nightsで忠臣蔵、ハリウッドですか。見ないで言うのはよろしくないですが、チャンバラ映画なのでしょうね。残念な感じが伝わってきました。
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