「ブラック・アイランド」(21年 独)原題:Schwarze Insel/Black Island
結構な頻度で挿入されるエロシーンから、女教師と青年のイタリア映画の”性の目覚め”のドイツ版かと予想していたらゼンゼン違った。北海の小さな島に赴任してきた女教師が昔自分と母を捨てた教師に復讐するために島に来て、教師の家族をひとりづつ殺してよくというミステリー。犬に襲わせたり、首を締めたり、点滴のバルブを調整したり、コーヒーに麻酔薬を入れて飲ませ池で溺れさせるとか、変態女教師により見せつけられる恐ろしいシーンの連続なのに、北海の島の美しい景色や住みやすそうな家などドイツの田舎暮らしに憧れさえ感じた。仕事で良くドイツには滞在した。だいたいは大都会か工業都市で東京や川崎と変わらない印象だったのだが、15年くらい前、いっしょに仕事をしていたアメリカ人の実家がドイツの片田舎にあるということで誘われてドイツの農家に数日訪問した。朝は大家族と一緒に朝食をとり、昼は近郊の古い遺跡などを訪問、夜はその家族の屋末子である小学生の部屋をあけてもらい休んだ。朝の食事の品数の多さや夕食の早さや質素さを知り、テレビもラジオもない田舎の夜の長さに不安を感じつつも、2晩目以降の夜のよく眠れたことを今も忘れない。
「バイス」(18年 米)原題:Vice
アメリカの第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ(息子のほう)の下で副大統領を務め、”アメリカ史上最強で最凶の副大統領”と呼ばれたディック・チェイニーの伝記映画。テレビ画面をあちこち挿入し、出てくる人物もソックリさんみたいな俳優を配しているから、実録映画を見る感覚で楽しめた。チェイニー副大統領をクリスチャン・ベールが演じていたのだが、普段のクリスチャン・ベールとえらく風貌や体つきが違っていて驚いた。いくつかの映画賞でもソレが話題になって主演男優賞を獲ったと。チェイニー副大統領は写真しかしらないが、やっぱり良く似ている気がする。映画そのものも大変面白かったが気になったところが2点。チェイニー副大統領婦人を演じたイタリア生まれのエイミー・アダムスの美しさにまいった。もともと、ショートヘアーには弱いのだが小柄のエイミーは可愛かった。もう1点は、映画のツクリに特徴があって、制作陣をチェックしたら筆頭にブラッド・ピットの名前があった。ブラピらしいツクリがどういうものなのかはうまく説明できないのだけれども。
原題のViceは接頭語だと「副」。単独で使うと「悪徳」とか「悪習」とかの悪い意味があるらしい(wiki)。
電車から見える夕暮れのライン川は、いつも川ばかりの印象でして、ドイツの原風景なのでしょうね。それぞれの都市の個性がありそうで、今やWOWOWでサッカーを見るばかりですが、あちこち行かなかったのが悔やまれます。同じままなのでしょうか。
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