台風1号の影響とかで、昨日から急に寒くなった。出かけなくてもいい雨の日。こういう日は自宅映画会に限る。熱いコーヒーが嬉しい。コロナとかウクライナとか出口の見えない中、一杯のコーヒーの暖かさを嬉しく思えるささやかな暮らし。続くといいな。
「空白」(21年 邦画)
万引き未遂でスーパー店長に追いかけられた女子中学生が交通事故で死んでしまう。娘の潔白を信じる父子家庭の女子中学生の父親が、スーパー店長を追い回すという物語。似たような実際の事件はあったらしいが、ストーリーは監督・脚本の𠮷田恵輔による。
見終わったあとのココロの「空白」をどう説明すればいいのだろう。
主演の古田新太の暴走にも見える演技も凄いが、この作品で最も気になった、というか感心したところは、無駄な配役が一人もいないこと。
邦画にかぎらず、友情出演とか原作者の顔出しとか、無理な設定が多いとゲンナリさせられることの多い近年の映画だが、本作品に無駄な配役はいない。100分強の作品だし、漁港や学校など生活シーンを切り取った映像のなかでチョイ役もあるのだが、どの配役もその役者にピッタリ。女子中学生を演じた伊東蒼(あおい)当時14-5歳も、古田新太、松坂桃李、田畑智子、寺島しのぶら錚々たる役者たちに負けていない。タイトルエンドで自らが主題歌を歌った世武裕子による音楽も最高。
今年のアカデミー賞で「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を獲ったと話題になっていたが、個人的にはこの「空白」のほうがずっと心に響いたし、無冠なのは残念な気がする。まあ、話題作りのためのアカデミー賞だし、この「空白」は万人受けする作品じゃないと思うが。
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