2016年10月7日金曜日

ロバの耳通信「タクシードライバー」


「タクシードライバー」(76年米) 

ちゃんとみたのは初めて。ジョディー・フォスターのファンだったし、彼女の出たシーンを覚えていたので、この映画も「ちゃんと」見たと勘違いしていたらしい。ジョディーのファンだったと強調したのは、近年のジョディがつまらないから。

「告発の行方」(88年米)「羊たちの沈黙」(91年米)がピークで、「コンタクト」(97年米)、「パニックルーム」(02年米)と煮え切らない作品で幻滅、2014年の同性愛結婚などニュースで見るくらい。額に青筋を立てた神経症のようなジュディが好きだったが、どの映画を見てもそればっかりじゃあ飽きるさ、そりゃあ。

「タクシートライバー」は例のニヤケ顔(これがなんとも言えないくらいいい)のめっちゃ若いロバート・デニーロの狂気、孤独と優しさを堪能できる。監督がスコセッシだから面白くないハズがないのだが、車の形が変わった以外今も当時と変わらないニューヨークは魅力的。不眠症の主人公が夜専門のタクシートライバーの役だから、背景に流れる夜のニューヨークの街並みとネオンがいい。サックスだろうか、全編むせび泣くような音楽がいい。

ラストは爆発してしまった主人公がギャングと打ち合うスコセッシらしいカタストロフィーをドキドキする心臓の鼓動のようなドラム入り音楽で楽しめる。半世紀前の映画とは思えない、懐かしさと新鮮さを同時に感じられる作品。ちゃんと見てよかった、台風続きの雨の夜。

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