2016年10月31日月曜日

ロバの耳通信「夏の終わり」

「夏の終わり」(13年邦画)の満島ひかりが良かった。瀬戸内寂聴の自伝小説の映画化ということで、不倫女の身勝手さを描いた映画かと偏見を持って見て、フムフムやっぱりそうだったかと得心しながら見たのだが、それらの嫌悪感を全部チャラにするくらい満島の魅力に参ってしまった。

満島を最初に知ったのはカロリーメイトのCM「ファイト」(12年)なのだが、同じ満島かと思うくらい。女の本性というのはこんなものなのだろうが、こんな女を相手にしたら疲れるだろうな。

ロングショットからのカメラワーク、ワンシーンの長さ、切り取ればそのまま写真になりそうなフレームワーク、舞台劇のような大声のセリフなど昭和の映画と見紛うこの映画は、初めてなのになぜか懐かしい。満島の元カレ役の綾野剛が未練タップリ男を演じ良かった。

最も印象に残ったのは満島の家(妾宅)に不倫相手(小林薫)の妻から電話がかかってくるという想像するだけでも恐ろしいシーン。

「だって、愛しているの。」という言葉で、すべてを押し通す女の論理が怖い。

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