2017年6月26日月曜日

ロバの耳通信「パトリオット・デイ」

「パトリオット・デイ」(17年 米)

2013年のボストンマラソン爆発テロの犯人逮捕までを、警備担当のトミー巡査部長(マーク・ウォールバーグ)を中心に描いている。題名は例年ボストン・マラソン開催されるパトリオット・デイ(愛国者の日、米国の休日ではなく北部のいくつかの州の休日)にちなんでいる。実際にあった事件のせいか記録映像が多く使われ、物語も時間の流れにに沿って展開されるため、自分が映画の中にいるような緊張感がある。最も印象深かったシーンは、爆破テロのあと自宅に戻ったトミー巡査部長を迎えた妻キャロル( ミシェル・モナハン)の安心と心配の入り混じった表情が良かった。

マーク・ウォールバーグはどちらかといえばイケイケ男優で、微妙な表情の変化などは望むべきもないが、ミシェル・モナハンは「ミッション・インポッシブル」シリーズ(M:i:III 06年~ 米)で、トム・クルーズ演じるイーサン・ホークの妻を、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(07年 米)では探偵を。深く、深い海の底のような彼女の眼には「いつも」どきりとさせられる。

テロの犯人のヒジャブを被った妻を「理解しがたい」と切って捨て、MITに通う金持ち中国人留学生にメルセデスを持たせたり、亡くなっり足を失った方々の映像を映画の末尾で流すなど、愛国心を掻き立てる国策映画にしてしまったのは一体誰だろう。

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