2018年3月24日土曜日

ロバの耳通信「4TEEN フォーティーン」

「4TEEN フォーティーン」(05年 石田衣良 新潮文庫)

代表作といわれる「池袋ウエストゲートパーク」(01年 文春文庫)がなんだか合わなくて、テレビや雑誌などで見かけた著者のイメージがやっぱり合わなくて敬遠していたが、図書館の新刊の棚に十刷版があって手に取ったのがキッカケ。

なんだ、こりゃという面白さ、うん、懐かしさか。8つの短編の主人公は4人は14歳。ああ、自分にもこういう仲間が欲しかった。スティーブン・キングの「スタンドバイ・ミー」の世界。

青春にはまだ届かない「大人になりかけのままだけど、まだ子供」(境界はどこにあるのだろう)の彼らの純粋な喜びや悲しみが、大人になってしまった自分にもよくわかるのは、少し違った環境で育ったけれど自分もこの時代があったという証。

懐かしくも、悔しい。ワタシは受験の準備のために始めた勉強が少し面白くなりかけていて、机にかじりついて勉強に明け暮れていた。過ぎてから思う、過去は取り戻せない。泣いても叫んでも戻らない。


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