2021年10月3日日曜日

ロバの耳通信「神童」

「神童」(07年 邦画)

原作はさそうあきらの同名の漫画。さそうあきらは幼少時からピアノを習っていたとかで「マエストロ」(03年~ 双葉社「漫画アクション」)など音楽をテーマにした作品が多く、そのいくつかは映画化もされている。

主演の天才ピアニスト成瀬うた<うた>を演じる成海璃子をはじめ、うたにピアノを教わり音大に受かる菊名和音<ワオン>役の松山ケンイチ、ワオンの彼女加茂川香音<カオン>役の貫地谷しほり(役名がみな音楽にかかわる単語なのがいかにも漫画らしい)などなど、配役が全員ミスマッチでちぐはぐ感は否めないが、向井康介の脚本で丁寧に作られているからピアノ音楽映画としてはイイ線いったのではないか。
突然の体調不良で演奏会に出演できなくなったリヒテンシュタインの代役としてうたが指名され、初見のモーツァルトのピアノ協奏曲第20番を、楽譜を高さの足りないピアノイスの尻の下に敷いて暗譜で演奏するなんてのは、漫画じゃないとありえないだろう。音楽をハトリ・ミホが担当して、主題歌もミホのリプルソング(原田郁子)でとても良い作品に仕上がっていた。ただ、ワタシがこの映画のことを知ったのが、YouTubeでフクシマのテーマソングとなっているリプルソングを知り、YouTubeめぐりでこの映画を見つけたくらいだから、映画としてはあまり話題にならなかったんじゃないかな。ワタシは気に入ったけど。

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