2019年7月13日土曜日

ロバの耳通信「監視者たち」「二重スパイ」

「監視者たち」(13年 韓国)

このところ面白い映画に当たっていないと不満たらたらでたまたま見つけた韓国映画。うん、このところこういうパターンが多い。韓国映画に行き着くのは韓国映画がワタシのシンパシーに合うことが多いためか。
この映画、とにかく面白い。新人女性警官の物語と、言ってしまえばそれだけなのだが、警官たちがプロジェクトを組みAIツールを駆使して犯罪者を追いつめる。韓国映画の刑事たちといえば、大部屋で悪口雑言を叫びながら出前のジャージャー麺を食うというのがワタシのイメージなのだが、この作品の若い警官たちとリーダーの親子兄妹のような親しさと格好良さにまいった。息をつかせぬ追跡シーンの連続と犯人を追いつめたときの「やったぜ」感は、涙が出るほど。浪花節の血のワタシと韓国人の血に共通のDNAを感じざるを得ない。

香港映画(「天使の眼、野獣の街」)のリメイク作品だというからそっちも探しているのだが、「監視者たち」に敵う気がしない。


「二重スパイ」(03年 韓)

2時間がずっと緊張しっぱなしで疲れた。脱北者のフリをして韓国に入り対北朝鮮防諜のスパイになった男(ハン・ソッキュ)の物語。彼を韓国スパイにした韓国防諜部門のリーダー(チョン・ホジン)との本音のわからない会話が面白い。ハン・ソッキュの顔のコイツ何考えてるんだって感じが、この二重スパイの役にぴったり。チョン・ホジンの一癖、ふた癖ある表情も、この映画では際立っている。

北の核や拉致被害者問題を考えるとき、本当は韓国と北朝鮮は裏でつながっている仲良しなんじゃないか、と疑ったりもするのだが、「シュリ」(00年)、「JSA」(01年)とかこの作品を見ていると、両国間の憎しみとかがこっちにまで伝わってくる。そういう意味ではこれら北朝鮮問題を扱った映画は、本当のところを隠すための情報操作なのかもしれない。

コ・ソヨンが北のスパイのラジオアナウンサーの役で出演していて美人女優として韓国でも人気らしいが、ちょっと暗すぎ。ラジオ放送のシーンで、意味不明だが甘い声のささやきにまいってしまった。




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