2019年7月15日月曜日

ロバの耳通信 雨の日の4本立て「キングダム/見えざる敵」「サクラメント 死の楽園」「シャフト」 「ママ」

3連休最後の海の日は肌寒い雨。どこにも出かけられず、ネット動画で4本立ての映画の日に。最後の「ママ」はメッチャ怖かったけど、いい映画だった。

「キングダム/見えざる敵」(07年 米)原題 The Kingdom

サウジアラビアのアメリカ人居住区爆破事件をを解決したFBI捜査官の物語。なぜFBIがそんなところまで、しかもほかの省庁の反対を押し切ってまで出かけなければいけないかのワケが薄弱。映画の中では、爆破事件でふたりのFBI捜査官が死んだからだと。しかも、自動小銃まで持参し、散々ドンパチを繰り返し犯人にたどり着く。フィクションとはいえ、ちょっとね。
映画の冒頭にはサウジとアメリカの歴史が画像入りで説明される。時系列に並んでいるからアタマの整理にはなったが、だから、この映画のスジかとはゼンゼン結びつかない。派遣された4人の捜査官に紛した役者がなかなか収まっていて、映画のテンポもよく楽しめた。ラストのこの捜査の協力者のサウジ警察の大佐の遺族に語りかけるところなんて、ここだけセンチになってもね、の感。大佐役のイスラエル男優アシュラフ・バルフムの演技が光ってた。お薦め度B。

「サクラメント 死の楽園」(13年 米)原題 The Sacrament

人民寺院を率いたジム・ジョーンズによる集団自殺事件(78年 ガイアナ)をヒントにした一種のホラー。ドキュメンタリーフィルムによる撮影・インタビューという形をとっていて、カルト集団リーダー役にぴったりのジーン・ジョーンズの気味悪さや洗脳の怖さは伝わってきたものの、面白くも、さほど怖くもなく、タメになるところもなかったからお薦め度C

「シャフト」(19年 米)原題 Shaft

FBI分析官の息子(ジェシー・アッシャー)が私立探偵の父親(サミュエル・L・ジャクソン)の協力を得て、麻薬の過剰摂取で死亡したという友人の無実を晴らすというスジ。舞台はハーレム。らくがきだらけの汚い通りや風俗店とか、いまもこんなところなのだろうか。
サミュエル・L・ジャクソンのために作られた映画だから、彼だけが決まっている。ウィットやコミカル味をところどころに入れて、クライムアクションの暗さから遠ざけようとしたらしいが、ジェシー・アッシャーの大根演技ですべてオジャン。気が付いたら登場人物はほぼ黒人。ああ、そういう映画だったのね、だから日本では公開されないのか。お薦め度C

「ママ」(13年 スペイン・カナダ)原題 Mama

精神を病んで妻や同僚を殺した父親に連れ出された幼い姉妹。森の奥の誰も来ない廃屋で無理心中しようとした父親は廃屋に住んでいた”ママ”に殺さろ。父親の弟にみつかるまでの5年間”ママ”に育てられたのは幼い姉妹。”ママ”は精神病院で出産した赤ちゃんを引き離され、追いかける途中に死んでしまった女の亡霊。”ママ”は「リング」(88年 邦画)のテレビから出てきて四つ足で追いかけてくる女にそっくり。ただのホラーじゃない。「リング」の何倍も怖く、何倍も母子の愛を感じさせる映画だった。お薦め度A。

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