2019年7月7日日曜日

ロバの耳通信「オーヴァーロード」「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」「テスト10」

「オーヴァーロード」(18年 米)

ハリウッドの大物プロデューサーJ・J・エイブラムスの新作、今年5月公開の本作も好評ということで期待していたのだが。
プロデューサーやら製作やらよくわからない役割なのだがJ・J・エイブラムスが手掛けた「10 クローバーフィールド・レーン」(16年)、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(17年)、「ミッション:インポッシブル フォールアウト」(18年)の実績をワタシは買っていて、新作「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」(19年)では監督・製作・脚本とすべてを仕切るときいていた、あのJ・Jの新作なのに、実につまらなかった。
ノルマンディー作戦を支援すべくドイツ軍通信施設の爆破を命じられたアメリカ軍パラシュート部隊の物語。フランス娘の案内で到着した通信施設の地下には、ナチスのゾンビ研究施設があったというスジ。戦争映画としてはいい出来なのだが、後半のゾンビたちとの戦いはグロ。アメリカではすでに公開され好評だと。作戦は成功し、ドイツ軍通信施設とナチスのゾンビ研究施設も爆破、とハッピーエンドなのだがなぜか後味が悪かった。
そりゃ、ナチスは戦争中にいろいろ悪いことしたんだろうけれども、「ナチス・オブ・ザ・デッド」(15年)とか「処刑山 -デッド・スノウ-」(07年)、「ナチス・ゾンビ/吸血機甲師団」(80年)とかやたら多いような気がする。うーん、何が不快かをうまく説明できないけれど。

「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」(19年 フィンランド・ドイツ・ベルギー合作)

月の裏側に潜んでいたナチスの残党が、地球を侵略すべく核戦争を仕掛けるという「アイアン・スカイ」(12年)の続編。動画サイトの口コミではかなり、上位にあったから、騙されたつもりで見た。ナチスが住んでいた月の裏側に移住した人々は月の資源の枯渇に悩み、核戦争で荒廃してしまった地球深部「ロストワールド」へ旅立つ。
本編もこの続編もネットで見た。ネット動画のいいところは、映画館と違いつまらないところは早送りできること。CGはよくできているがストーリーがメチャメチャ。おもいっきりつまらない映画だった。そう感じたワタシが本流から外れているのだろう。

「テスト10」(11年 カナダ・米)

多額の報酬につられて治験に参加することになった大学生たち。大手薬品会社の治験場に集められた老若男女の治験者は10人。研究者が目指していたのは死なないヒト。自己増殖する臓器の肝臓の抽出物は傷口をすぐに塞ぐという効果があったが、嫌悪やタブーに対する感覚をマヒさせるという副作用があった。注射をされるたびに治験者は狂暴になり、ヒトを襲ってその肉を食べるゾンビ化する。
報酬に釣られた人々がどこかの施設に集められて、心理研究や治験対象になるという映画は多い。俳優さえ集められればできる舞台劇のような映画は存外、低コストで切るのだろう。「テスト10」もそういうB級映画。前半は大学生たちの掛け合い漫才、後半はおなじみゾンビとスプラッタ。やっぱり、見るんじゃなかった。

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