2019年9月16日月曜日

ロバの耳通信「マイ・ボディーガード」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」

「マイ・ボディガード」(04年 米)原題 Man on Fire
 
デンゼル・ワシントン演じる元傭兵のボディーガードが誘拐された少女を取り戻す。一旦は少女が殺されたと思い、誘拐犯の皆殺しを誓ったボディーガードの執念の復讐劇。ずいぶん前に見た覚えがあったが、また夢中になって見てしまった。年月を経てみると、昔見た時の感情とかなり違う。ただのスーパーヒーローの冒険活劇だと思っていたら、ボディーガードと少女の交流、少女の母は元クラブ歌手のアメリカ女、父は自動車部品工場を経営する2代目ボンボンのメキシコ人、誘拐犯は誘拐をビジネスとするメキシコのギャングと賄賂で動く汚職警察官、そういう背景とか当時のメキシコ国情とかもよく見えてきて、一層映画に感情移入できた。少女役の子役が最高。

原作をチェックしたら、「燃える男」(94年 J.A.クイネル 新潮文庫)だと。クイネルだったか、と別のキモチ。クイネルは若い頃、夢中になって読んだ作家。「血の絆」(85年 新潮文庫) とか、「パーフェクト・キル」(94年 新潮文庫)とかほぼ制覇したはず。
 このところ翻訳モノで面白い本に当たらなくなっているから、また読んでみようか。年を経て、この映画を見た時のように、視野が変わって別の物語が見えてくるかもしれない。

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(05年 米・カナダ)

インディアナの田舎で妻とふたりの子供を持ち、街の小さな定食屋を営む男は、昔フィラデルフィアのギャングだった。定食屋を襲った強盗殺人犯と戦い、自らも重傷を負いながらも凶悪犯を殺した男は街のヒーローになってしまう。そのせいで、昔の仲間が出てきて、と結局はギャングたちと闘うハメに。
定食屋のオヤジ役をヴィゴ・モーテンセン(「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(01年~ 米・ニュージーランド)で騎士アルゴルンを演じたあの、ヴィゴ・モーテンセンだ)、定食屋に訪ねてくる仇敵の片目の男にエド・ハリス、オヤジの兄で今はフィラデルフィアを仕切るボス役にウィリアム・ハートなどなど、すごい俳優を揃えられたのは、デヴィッド・クローネンバーグ監督の力か。
題名の通り、血生臭い銃撃シーンも多いのだが、この<R15>映画の見どころは、定食屋のオヤジとその妻(マリア・ベロ)が愛し合う場面。夫婦の設定だから、ベッドシーンも不思議ではないのだが、とにかく濃厚。セクシーとは裸を見せることではないことを再認識、マリア・ベロにまいってしまった。

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