新型コロナ肺炎の蔓延で、出かける機会がぐっと少なくなってしまった。映画も美術館も、車でちょっと遠くに出かけテイクアウトの食品などを買い込みカミさんとホテルでオン・デマンドの映画を一緒に見る、なんてこともなくなってしまった。そういう普通の暮らしが懐かしい。
テレビもなんだかつまらなくて、今は朝に動画サイトをチェックすることと、夕方にスマホで新型コロナ肺炎の”今日の感染者数”をチェックするのが習慣になってしまった。また増えてる・・オミクロンも増えてる。一喜一憂してもしょうがないと分かっているのだが、湧き上がってくるような不安は消えない。
戦死した兵士の棺を軍人が付き添い移送する米軍のシキタリはケビン・ベーコン好演の「TAKING CHANCE/戦場のおくりびと」(09年 米)で知り、一種の感動を覚えた記憶もあったが、どうも今もこのシキタリが続いているらしいことに感動の想いを新たにした。
太平洋戦争の旧日本軍ではそういうシキタリはなかったようだが、災害派遣などで亡くなった自衛隊たちの棺はどうしているのだろうか<無念にも似たこの思いの事を前にもどこかに書いた気がする>。
映画の主題は何だったのだろうかと考える。無茶をした戦友との友情物語か、映画の中で息子を亡くした老いた母親が息子の戦友に問う、何の目的の戦いだったのかと。仲のいい両親に恵まれ楽しい少年時代を過ごしたと思い出を戦友に語りながら死んだ息子への追憶か、悪い環境に育ち幼い頃に父親を亡くしやることもなく兵士になった青年の物語か。泣きどころ満載の映画だが反戦の思いは充分に伝わった。
「7500」(19年 米・ドイツ・オーストリア合作)原題:7500
ベルリンからパリに向かうエアバスがテロリストの乗っ取りに遭い機長は殺され、負傷した副操縦士(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)によりハノーバーに緊急着陸する。副操縦士と若いテロリストとのやり取りや副操縦士の恋人の客室乗務員の死など枝葉のストーリーはあるが、ただそれだけ。ハラハラはするが、操縦席のシーンだけで緊張感を持ち続けさせるのは難しい。
主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットは好きな俳優だし、今まで「G.I.ジョー」「インセプション」「ダークナイト ライジング」「LOOPER/ルーパー」「スノーデン」など多くの作品を楽しんできたが、彼の持つ優しい表情やフッと見せる軽妙さが場違いに思えるこの「7500」の副機長役はミスキャストだ。
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