「最後の決闘裁判」(21年 英・米)原題:The Last Duel
1386年のパリでの決闘裁判を記録したノンフィクションを元に作られた歴史映画だと。欧州の歴史映画は苦手だ。歴史をほとんど知らないし、人物の名前や場所にも馴染みがないから。ただ、監督がリドリー・スコット。主要キャストとしてマット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレックとあったから公開前から期待はしていたのに、だ。
甲冑を着けた中世の戦闘シーンやラストの決闘はリドリー・スコットらしい迫力と血生臭ささで、見るべきところもあったが、領地の取り合いやら、主従の因縁やら、この騒動のモトとなった女の取り合いやら、ストーリーそのものはゴシップ誌なみで辟易。これ以上ないと思っていた配役たちが全く役に合っていない。第一、マット・デイモンが中世フランスの騎士のガラか。その妻を演じたジョディ・カマーは表情のないワラ人形。ベン・アフレックなんて、お前ホントに出演してたかと疑うくらいの存在感のなさ。唯一の救いどころはマット・デイモンの仇役として、決闘に負けたばかりに死体まで雑に扱われてしまうアダム・ドライバーの清々しいくらいの悪役。イイ男の悪役って、似合うよね。
どうだろう、こういう欧州歴史モノ、日本じゃ流行らないんじゃないかな。第一、邦題が良くない気がする。
「プライベート・ウォー」(18年 米)原題:A Private War
12年シリアで取材中にシリア内戦で死亡した新聞記者メリー・コルヴィンの伝記映画。01年のスリランカ内戦の取材中に左目を失い、隻眼の戦場記者として有名な女性だったらしい。
メリー役のロザムンド・パイク(「ゴーン・ガール」14年 米)が代表作)が戦場体験のトラウマを抱えながらも、戦場をはなれることが出来ない気丈な女記者を演じていて、ますます好きになった。戦闘シーンはそこが実際の戦場と見紛うほどの出来で、ドキュメンタリー映画を超える臨場感。ラストからタイトルエンドに流れる歌が甘くて、哀しくて始終タバコを離さずピリピリしていたロザムンド・パイクの表情を思い出し、なぜか泣きそうになった。
「メリー・コルヴィンの瞳」(18年 英 Under the Wire)という同じくメリー・コルヴィンの実録ドキュメント映画があるらしいので、コレも見ようかとも思うが、なにせ「プライベート・ウォー」を見た理由がロザムンド・パイクだったからという不純なワケだから、さてさて。
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