
ワタシの「ばあちゃん」はもうずいぶん前に亡くなりましたが、死ぬまで孫のワタシを100%甘やかしてくれました。割合厳しい家(つまりは貧乏なため余裕のない家)に育ったので、ときどき息が詰まりそうなこともありましたので、よくひとりぐらしのばあちゃんの家(なぜかよく引越しをしてました)に入り浸って、我が家にはゼッタイにない、ばあちゃんの好きなプロレス記事とエロばかりの夕刊紙(九州スポーツです。ちょっと前の東京スポーツとほぼ同じ)や、なんとか実話というこれもあやしげ週刊誌をめくりながら、期限切れの甘納豆を水煮した「煮豆」を食べたり、手作りの「どろどろ」甘酒を飲んだりしたものです。
ワタシが田舎を捨ててこちらに住むようになり、自転車から落ちて怪我をしたというばあちゃんはあっという間に亡くなり、ばあちゃんを焼場で骨にしてからの帰りに、ワタシは、ワタシの一番大切なものをなくしてしまったことに気づき、悲しくて、口惜しくて、いまもそのときのどうしようもない気持ちを忘れることができません。ばあちゃんはいまでも、体の調子の悪い時に、夢のなかで歯のないニコニコ顔でワタシの前に出てきて「よかたい、なんも心配せんでよかたい」と慰めてくれます。
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