まとまった時間がとれたらやりたいと思ってたことが浅田次郎三昧。寒いし、コロナは怖いし、ネット動画もちょい飽き気味ということで、文庫本、電子ブック、朗読サイトなど総動員で浅田次郎漬けに浸ってみた。
「ラブレター」(「鉄道員 ぽっぽや」集英社文庫)何度読んでも泣ける。”五郎さん”と手紙のなかで呼びかける中国人妻”白蘭”の声を夜中に寝床で聞きながら寝落ちしてしまい、朝、マブタが張り付いているのはいつものこと。中井貴一主演の映画も堪らない。同名の映画の韓国リメーク版も見たが、字幕版だしダイコン女優のせいでゼンゼンつまらなかった。
「獬(シエ)」(「椿姫」文春文庫)飼い猫を失った独身女が立ち寄ったペットショップでヒトの哀しみを食べる”獬(シエ)”をもらう。文庫本で読んだときはそう感動もしなかったが、動画サイトで中井貴恵の朗読を聞いてマイってしまい鼻水が出た。いまさらながらだが、朗読の声は大事だ。
「マダムの咽仏」(「椿姫」文春文庫)おかまバーのママが亡くなった話だけなのだが、若い頃、取引先のえらい人に連れられて何度か行った新宿2丁目のバーのママのことを思い出した。
「琥珀」(「夕映え天使」新潮文庫)定年前の刑事が気まぐれに寄ったコーヒー店で、店主が時効直前の妻殺しの犯人だと気づく。ネルドリップのコーヒーの旨さと温かさにお替りを頼むシーンがあり、ペーパーでコーヒーを煎れてみたが、そう旨くなかった。ネルドリップの道具が欲しくなった、いつものカブレ癖。
「すいばれ」(「霞町物語」講談社文庫)海の家で恋に落ちた大学生の物語。若い頃に見た石原裕次郎の「狂った果実」(56年 邦画)を思い出した。自分の生年から考えて封切り時ではなかったと思う。北原三枝の水着姿を見たような気がするが、「太陽の季節」(同年)の南田洋子の水着姿だったかも。焼けつくような夏の持って行き場のない焦燥感が懐かしい。
「うたかた」(「見知らぬ妻へ」光文社文庫)、「遠別離」(「あやしうらめしかなし」双葉文庫)、「ひなまつり」(「薔薇盗人」新潮文庫)、「月のしずく」(「月のしずく」文春文庫)・・いい時間だった。
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